元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。
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「セラスティア姫の、最期?」
「はい」
皆がカフェテリアへと向かい、がらんとなった教室で私は改めてリュシアン様に訊ねた。
勿論マルセルさんとアンナも一緒。そしてなぜかラウルも教室に残り自分の席からこちらを睨むように見つめていた。
案の定リュシアン様の雰囲気が一気に剣呑なものになったけれど今は気にしていられなかった。
「すみません……思い出したくないとは思うのですが、私そのときのことをよく憶えていなくて」
「そう……憶えていないのなら、その方がいいかもしれないね」
その含みのある言い方に少し怯みそうになったけれど、私は続けた。
「私、セラスティアは18歳の誕生日に死んだのだと思っていました。でも、ついさっき夢で見たんです。クラウスは私に……いえ、セラスティアに『逃げましょう』と言ったんです。手筈は整っているから国を出ようと」
アンナとラウルの驚きが伝わってきた。
しかしリュシアン様は表情を変えない。それを見て私は確信を持った。