元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。
「このときを待っていたのは僕も同じです。貴方を炙り出したかったのですよ。まんまと引っかかってくれましたね。彼女にしつこく付きまとっていた【呪い】」
パンっと、もう一度あの音が鳴り響く。
「ぎゃああああっ!!」
先ほどとは違う方の脚を押さえ、マルセルさんはもんどりうってその場に転がり苦悶の絶叫を上げた。
「もうこれで立ち上がれないでしょう? 待っていてください。今とどめを刺して差し上げます」
先生は拳銃を腰に仕舞うと足元に落ちていた聖剣を拾い彼の前に掲げて見せた。
「貴方にはやはり、これが一番効くのでしょうから」
マルセルさんはそれを見て怯えた顔をすると、近づいて来る先生から手を使い後退りした。
「や、やめろ……」
「哀れな魂たちよ。これでどうか安らかに眠ってください。――そしてもう二度と、彼女に近づかないでください」
低い声音と共に、なんの躊躇いもなく先生はマルセルさんの胸に聖剣を突き刺した。