元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。
苦悶の表情で腕を押さえ膝をついた彼の背後に回った先生は、体重をかけるように押さえ込んだ彼の両腕を後ろで纏めあげ、あっという間にベルトのようなもので縛ってしまった。
「痛い痛い痛い! 何をするんだ!?」
「不審者の確保です」
「は!?」
「最初に警告したはずですよ。さぁ、立って」
ベルトを引っ張られて苦痛に顔を歪めながらもルシアン様は立ち上がった。
「痛いと言っているじゃないか! くそっ、私を誰だと思っているんだ!」
「僕もあまり手荒なことはしたくないんですよ。あなたも、流石にこれ以上の暴挙は不味いのではないですか……?」