元聖女ですが、過保護だった騎士が今世(いま)では塩です。

 でもこのままでは非常にマズイ。というか怖い。
 どう話すべきか頭をフル回転して考えているとイザベラは眉間の皺を更に深くした。

「レティシアさん、あなた最近以前より小綺麗にしていますでしょ? イメチェンと言うのかしら。それも気になっていましたの。あなたまさか、ラウル様を誘惑するために」
「ち、違う違う! これは……っ」
「これは?」
「これは、その……先生に……」
「先生?」

 訝し気に首を傾げた彼女に、私はもう思い切って言ってしまうことにした。

「ユリウス先生に見て欲しくて!」
「? ユリウス先生って、歴史の?」
「そ、そう!」
< 94 / 260 >

この作品をシェア

pagetop