男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「では、カイルが目覚め次第ご挨拶に伺う様に伝えますので。」

「こちらも、公爵に海賊のリーダーケイについて何か聞き出せたら直ぐ報告します。」

「よろしくお願いします。」

「一つお教え願いたいのですが?」
帰り際、ルイに話しかけられ足を止める。

「竜騎士団は統制が取れた、誠に素晴らしい隊だと思いますが、民間の出のカイル団長に貴方の様な貴族出身者が、反感を持つ事は無いのですか?」

「我が国は特に、貴族だから平民だからと区別する文化が薄れています。
世代を若くする事にそれは、もっと加速しつつあり、今や平民と貴族の結婚もよくある話となりつつあります。

特に、軍人においては実力がものを言う世界です。
単にカイルがこの団で、いや、この国で一番強くて魅力的な団長だから、誰もが従い憧れる存在なのだと思います。」

「昨夜、カイル団長と共に動いて分かりました。強さだけで無く頭も切れる。欠点が一つも無い人物だとお見受けしました。」
なるほどと、頷きルイも納得したようだ。

「最近、うちの団長にも欠点らしきものが出来ましたよ。
今まで真面目で浮いた話の一つもなく、面白味に欠けていましたが、しばらく揶揄うには持って来いです。」
笑いながらショーンが言う。

「今も、彼女が居なくなってかなりダメージを受けてますが、次、会う時には一段と強くなってると思いますよ。」

「そうですか。それはこの先楽しみです。」
二人はお互いほくそ笑み分かれる。
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