男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
身支度を整えサラがバラ園に顔を出すと、
東屋はとても綺麗に整えられ、バラも見事に咲く誇っていた。

「お嬢様、お呼びするでお部屋にいてくださいな。今日は御令嬢らしく、日々のお勉強の成果を見せてくださいね。」
マリーに言われて少し緊張してしまう。

「少しくらいお手伝いしたいの。
机に飾るバラを摘んで来てもいい?」

「分かりました。ドレスを汚さないよにお気を付けて下さいね。」
そう言って、ハサミと籐で編んだ籠を渡してくれる。
「はい。」
サラはにっこり微笑み庭へ降りて行く。

何色がいいかしら?
深紅に白に薄ピンク色いろいろな色が咲き乱れて迷ってしまう。黄色も捨てがたいわと、庭のあちこちを見て回る。

やっぱり深紅かしら。そう思い、慎重に一本ずつ丁寧に摘んでいく。

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