男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
それから一ヶ月バタバタと過ぎ、

ついに晩餐会の日が来た。

結局ドレスは前日朝に届き、サラが城下に着いたのは夕方だった。
ボルテとルイは3日前に既に馬車で旅立ち先に城に滞在していた。

サラはブルーノと共に城の庭に降り立つと、カイルが馬に乗り迎えに来てくれた。

カイルとは国王が邸宅にお忍びで来た日以来、久しぶりに会う。

「サラ、良く来た。道中大丈夫だったか?」
カイルの計らいで、竜騎士団から二名護衛に付いて来た為、夕方暗くなってきても安心して飛ぶ事が出来た。

「大丈夫です。お忙しいのに、わざわざお迎えありがとうございます。」
サラはブルーノから降りてカイルの所に近付く。

「気にしなくていい。寒くなかったか?
気温が低くなってきたから早く建物内に入った方がいい。」
季節は秋から冬に変わる手前、太陽が落ちると途端に空気が冷えてくる。

カイルが着ていたコート脱いでさりげなく、サラにかけてくれる。
冷気で冷えた体が途端に暖かくなり、気持ちもほっと安堵する。

「ありがとうございます。」
カイルに髪を撫でられてサラはドキッとする。

「冷たいな。」
カイルは心配する。


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