男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
トントントン
またノックがする。
「きっと母だと思います。」
カンナがそう言ってドアの方に向かう。
「はい。どちら様ですか?」
「俺だ。サラは起きたのか?」
「あっ、ご主人様でしたか、母だとばかり思ってました。」
カンナは急ぎ打ち鍵を開ける。
「マリーにはハクの餌の用意を頼んだから、
入っていいか?」
「サラお嬢様、ご主人様でした。中に通しても構いませんか?」
「えっ⁉︎
ダメです。まだ、着替えてませんから…」
「お衣装を迷っているのでしたら、せっかくですからご主人様に選んでもらってはどうでしょうか?」
「えっ⁉︎」
サラは急いでソファの後ろに隠れる。
「入るぞ。……サラは?」
「ソファの後ろにいますよ。」
カンナは笑いながら指差す。
コツコツと靴音を鳴らしてカイルはサラに近づく。
「おはよう、何故そんな何処にいる?」
「……まだ、入って来ちゃダメっていいました…。」
「どんなサラでも可愛いから問題無い。
それよりどれを着るんだ?」
サラの頭をポンポンと優しく撫でる。
サラはボッと顔が熱くなるのを感じて、両手で顔を隠す。
「マリナの店で勧められた服を選んだから、どれもサラに似合う筈だ。何色にする?」
そう言って、腕組みしながらカイルはドレスを吟味し始める。
お礼を言わなければと、サラはソファの裏からおずおずと出て来てカイルに近付く
「こんなに沢山用意して頂きありがとうございます。…でも、私の為にどうか散財しないで下さい。」
「この先、何着あっても足りないだろう?
サラは、男装しか持って来てないのだから。
それに、意外とサラを思って選ぶのは楽しかった。
どれも似合いそうだと迷っていたら、マリナが迷ったもの全てを買うべきだと言い出したんだ。」
笑いながらそう言って、二着のドレスを手に取りサラに見せる。
「どっちがいい?」
さくら色の淡いドレスと空色の水色のドレスだった。
「じゃあ…、こっちで。」
サラは迷ったあげく水色のドレスを選ぶ。
「じゃあ、こっちで決まりだ。
10分後にまた来るから、その間に着替えてくれ。」
「10分⁉︎短すぎます!
まだ、髪もセットしてないのに…。」
「じゃあ,20分でどうだ?
カンナ、悪いが急いでくれ。」
「かしこまりました。」
パタパタと二人はサラに駆け寄って来る。
カイルは部屋から出ようとして、ふとバルコニーに目をやるとこっちを見ているブルーノに気付く。
「ブルーノ?
どうやって厩舎を抜けて来たんだ?」
そう言って、バルコニーの窓を開ける。
「もしかして、鍵を壊して来たんじゃ無いだろうな…。今頃、世話係が慌てて探してるんじゃないか?」
苦笑いをしながらカイルはブルーノの頭を撫でる。
「直ぐ単独行動をとるのは、飼い主と良く似てるな…」
そう言ってハハっと声を上げて笑った。
カイルがブルーノと戯れている間に、サラはドレスに急いで着替え、戻って来たマリーとカンナの2人がかりでパタパタと身支度を整えられる。
「お待たせしました、カイル様。」
どうにか15分くらいで整えてカンナがカイルに声をかける。
水色の淡いドレスに胸元のグリーンのネックレスが良く映える。
「よく似合っている。
想像以上に嬉しいものだな。明日からサラが着る服は俺が決める。」
そう、カンナに告げてサラに近付き綺麗だと褒めるカイルを、マリーとカンナの親子は微笑ましく見つめ安堵の表情を向ける。
「やっと我が家にも春が来たようね。」
嬉しそうにマリーが言うと、
「本当…、一時はどうなるかと心配したけど、本当に良かったわ。」
カンナは目頭をハンカチで押さえて涙ぐむ。
「マリー、サラに羽織る物を。
朝は外気がまだ冷たい。」
「はい、かしこまりました。」
マリーはそう言って、パタパタと世話を焼く。
またノックがする。
「きっと母だと思います。」
カンナがそう言ってドアの方に向かう。
「はい。どちら様ですか?」
「俺だ。サラは起きたのか?」
「あっ、ご主人様でしたか、母だとばかり思ってました。」
カンナは急ぎ打ち鍵を開ける。
「マリーにはハクの餌の用意を頼んだから、
入っていいか?」
「サラお嬢様、ご主人様でした。中に通しても構いませんか?」
「えっ⁉︎
ダメです。まだ、着替えてませんから…」
「お衣装を迷っているのでしたら、せっかくですからご主人様に選んでもらってはどうでしょうか?」
「えっ⁉︎」
サラは急いでソファの後ろに隠れる。
「入るぞ。……サラは?」
「ソファの後ろにいますよ。」
カンナは笑いながら指差す。
コツコツと靴音を鳴らしてカイルはサラに近づく。
「おはよう、何故そんな何処にいる?」
「……まだ、入って来ちゃダメっていいました…。」
「どんなサラでも可愛いから問題無い。
それよりどれを着るんだ?」
サラの頭をポンポンと優しく撫でる。
サラはボッと顔が熱くなるのを感じて、両手で顔を隠す。
「マリナの店で勧められた服を選んだから、どれもサラに似合う筈だ。何色にする?」
そう言って、腕組みしながらカイルはドレスを吟味し始める。
お礼を言わなければと、サラはソファの裏からおずおずと出て来てカイルに近付く
「こんなに沢山用意して頂きありがとうございます。…でも、私の為にどうか散財しないで下さい。」
「この先、何着あっても足りないだろう?
サラは、男装しか持って来てないのだから。
それに、意外とサラを思って選ぶのは楽しかった。
どれも似合いそうだと迷っていたら、マリナが迷ったもの全てを買うべきだと言い出したんだ。」
笑いながらそう言って、二着のドレスを手に取りサラに見せる。
「どっちがいい?」
さくら色の淡いドレスと空色の水色のドレスだった。
「じゃあ…、こっちで。」
サラは迷ったあげく水色のドレスを選ぶ。
「じゃあ、こっちで決まりだ。
10分後にまた来るから、その間に着替えてくれ。」
「10分⁉︎短すぎます!
まだ、髪もセットしてないのに…。」
「じゃあ,20分でどうだ?
カンナ、悪いが急いでくれ。」
「かしこまりました。」
パタパタと二人はサラに駆け寄って来る。
カイルは部屋から出ようとして、ふとバルコニーに目をやるとこっちを見ているブルーノに気付く。
「ブルーノ?
どうやって厩舎を抜けて来たんだ?」
そう言って、バルコニーの窓を開ける。
「もしかして、鍵を壊して来たんじゃ無いだろうな…。今頃、世話係が慌てて探してるんじゃないか?」
苦笑いをしながらカイルはブルーノの頭を撫でる。
「直ぐ単独行動をとるのは、飼い主と良く似てるな…」
そう言ってハハっと声を上げて笑った。
カイルがブルーノと戯れている間に、サラはドレスに急いで着替え、戻って来たマリーとカンナの2人がかりでパタパタと身支度を整えられる。
「お待たせしました、カイル様。」
どうにか15分くらいで整えてカンナがカイルに声をかける。
水色の淡いドレスに胸元のグリーンのネックレスが良く映える。
「よく似合っている。
想像以上に嬉しいものだな。明日からサラが着る服は俺が決める。」
そう、カンナに告げてサラに近付き綺麗だと褒めるカイルを、マリーとカンナの親子は微笑ましく見つめ安堵の表情を向ける。
「やっと我が家にも春が来たようね。」
嬉しそうにマリーが言うと、
「本当…、一時はどうなるかと心配したけど、本当に良かったわ。」
カンナは目頭をハンカチで押さえて涙ぐむ。
「マリー、サラに羽織る物を。
朝は外気がまだ冷たい。」
「はい、かしこまりました。」
マリーはそう言って、パタパタと世話を焼く。