男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
第七章(その後)
一度近くの湖に降りて休憩をとる。

ブルーノの後に続きハクも地上に舞い降り、急ぎサラの所に駆けつけ、降りるのを手伝う。
「大丈夫ですよ。1人でも降りられます。」

「分かっているが心配なんだ。」
カイルはそう言ってサラを抱き上げ下ろてくれる。
「体が冷えたな。何か暖かい物でも飲むか?」

「風が冷たくなってきましたね。」
抱き上げられたままなかなか下ろしてもらえず、首を傾げる。

「カイル様?」
サラを抱き抱えたままカイルは近くの岩に座る。
しばらくそのまま何も話さないカイルにサラはそっと腕を回して抱き締める。

「俺がショーンみたいに泣くと思ったのか?」
カイルが笑いながらサラに言う。
「生まれ育った場所を離れるのはカイル様でも、寂しいのかと思って。」
顔を上げてカイルを見上げる。
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