男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
二人でブルーノに乗って邸宅に到着する。

カイルは飛んでる間、ずっと抱きしめてくれていたから、寒い外気から守られとても暖かかった。

ただ、サラの心臓だけがはドキドキと鳴り続け、なかなかの試練となった。

「お帰りなさいませ。」
庭先に降り立つと、執事の男がやって来て荷物を運び入れてくれる。

「長旅お疲れ様でした。
温かいお茶でもいかがですか?それともお夕飯に致しますか?」

「そうだな。腹が減ったから、夕食にするか?」

「そうですね。」
サラが頷く。
「ところで、マリーとカンナは戻ったか?」

「今夜は暗くなったので宿に泊まると先程連絡がありましたありました。」

「そうか、分かった。」

「夕飯が終わったら、後は自分達でやるから帰っていいぞ。」
こっそり、執事にそう告げる。

「承知致しました。」

サラはショーンがカイルに渡した鷲を抱いて邸宅に入る。
「サラが面倒見てくれるのか?」

「いいんですか?」

「ああ、押し付けられただけでいい迷惑だ、サラが可愛がってくれたらそれでいい。」

「嬉しいです。私ペットを飼うの夢だったんです。」

「鷹はペットと呼べるか?」

「はい。可愛いですよ。」
そうかと笑いながら、サラの頭をポンポンして鷹の入った鳥籠をサラから受け取り、玄関に置くよう執事に告げる。
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