男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
カイルはと言うと、

風呂に入って気持ちを落ち着ける。

大切なのはサラの心だ。
サラの気持ちが追いつくまで待つべきだと思うのに、愛おしさが溢れてこれ以上、自分を制御出来そうも無いと思う気持ちとで揺れていた。

とりあえず、今宵は眠れそうも無い…。

風呂から上がり頭を拭きながら部屋に戻ると、

トントントントン。

思いがけずドアのノックが響く。
今夜はもう使用人は帰ったはずだ。

サラが自ら来るなんて思いもしなかった。

ドアを開けると、ガウンを着たサラがいた。

動揺したカイルは

「どうした?心の準備とやらが出来たのか?」
つい意地悪な聞き方をしてしまう。

サラは少し困った顔をして
「…あの…ちょっとだけ寂しくなったと言うか…。」

「悪かった…意地悪を言った。」
カイルはそう言ってサラを部屋に入れ、抱き寄せる。
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