男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「今夜は眠くなるまで話しでもしよう。」
安心させるようにそう言って、サラを解放してソファに座らせる。

「紅茶でいいか?」
「はい…。」
あんな事を言ったから怖がらせたかと反省して、出来る限り優しくしようと心がける。

「ありがとうございます…。」

「髪がぬれている、ちゃんと乾かした方がいい。」
サラの髪をタオルで優しく拭く。
「だ、大丈夫です。カイル様の方が濡れてる気がします。」

「俺は直ぐ乾くから平気だ。」
いつも自分の事は後回しで、サラは申し訳ない気分になる。

サラはふっと立ち上がり、カイルに抱き付く。
「どうした?」
カイルも髪を拭く手を止めて、優しく抱き締め返す。

「あの…
心の、準備が、出来ました…。」
そう言うサラは少し振るえている。
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