男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「目が覚めた?」
カイルが笑ってサラの頭をポンポンしてからベッドから起き上がる。

「楽しい夢でも見てた?」
寝顔を見られてた⁉︎
「い、いつから見てたんですか?」

「う〜ん。1時間くらいかな…。」

「な、なんで起こしてくれなかったんですか⁉︎」

「幸せそうに寝てたから、起こし難くて、まだ8時だから大丈夫だよ?」

「だ、大丈夫じゃないです。恥ずかし過ぎます…」

「可愛かったよ。」
そう言って笑ったカイルはズボンを履いて、シャツを羽織りベッドから出て行く。
水差しからコップに一杯水を入れてサラに渡す。
「喉乾いてるだろ。
昨日は無理させたから、身体大丈夫か?」

昨夜の事情が思い出され、顔がボッと赤くなる。

サラはお布団に顔を隠す。

「シャワー浴びるだろ?」

こくんと頷き、立とうとするのに足に力が入らない。
そんなサラを軽々抱き上げてカイルは浴室に連れて行く。
「手伝うか?」

「だ、だ、大丈夫です!!」
何とかカイルを浴室から追い出し1人で赤面しながらシャワーを浴びる。

カイルは心配してそれでも、ドアの前でサラの様子を伺う。

「あの……着替えがありませんでした…。」

「ああ、部屋から取ってくるから待ってろ。」
ああ…
下着とか見られてしまう、とサラは落胆してシャワーを浴びながら座り込む。
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