自信過剰な院長は既成事実を作る気満々で迫ってくるんですぅ
手術室に到着すると、既に準備は着々と進められていた。
手術を受ける患者の手術に必要な処置
手術進行に応じた必要物品の準備
麻酔の介助
患者の状態の観察
手術の記録
こんなもんじゃない。数えられないほどすることがたくさんある。
執刀医は見事に非枝先生に当たった。最悪なメンバーでの手術。
「手術がスムーズに進行するためのサポーターとしてなくてはならない存在の外回りがきみとはな」
猫の手の方がマシだとまで言われた。
「使えないアニテクをよこすなんて、院長嫌がらせかしら」
「欠陥品のなすりつけ合いだ。うちもあっちも、きみのことなどいらない」
急変したとき、非枝先生の指示の前に考えて必要物品や薬品を準備出来る自信がなくなる。
手術を始める挨拶が済み、粛々と手術が始まった。
非枝先生と徳縄先輩の威圧的な態度に焦って、アンプルがうまくいかなくて切るのに時間がかかり、シリンジに吸うときには手が震えた。
下品な舌打ちが聞こえるから、ますます萎縮してしまい思うように自分の力を発揮出来ない。
初めて実施する技術で以前に説明を受けたけれど、不安で確認のために徳縄先輩に「これで良かったですよね?」と聞いたら「前にも教えたよね、何回も聞いてたら誰も教えたくなくなるよ」と言われた。
非枝先生や徳縄先輩から、なにをやっても注意されるので出来ることも出来なくなる。
とにかく怖い、なにも考えられなくなる。
『意味分かる?』
『もういいよ、頼んでごめん、やらなくていいよ』
二人から浴びせられた言葉が私をますます萎縮させ孤立させる。
普段だったら徳縄先輩の意地悪な言い方にめげずに言い返して、徳縄先輩をイライラさせるのに今は恐怖でしかない。
閉創中のガーゼカウントで、ガーゼが一枚足りないことに気付いた。
「なにをやっているんだよ。だから、きみが外回りは嫌だったんだ」
色々な所を探しまくってなかったからパニックになりかなり焦った。
「きみは居ても居なくても変わらないから、手術室から出て行ってくれてもいいんだよ?」
ない、ない、どうしよう。見つからない、どこにいった。ないと大変なことになる。
「みんなが、いかに効率よく仕事をするかを考えて行動しているから、無駄な時間を費やされることほど傍迷惑なことはない」って、うんざりした顔で非枝先生に言われた。
「早く見つけろよ、こんな凡ミスあり得ない」
「すみません」
謝りながら、とにかく手を動かし探し回った。
「この俺が使えない不出来な看護師の尻拭いをしているんだ、こんな屈辱的なことはない」
「あった!」
思わず声を上げた。
手術時に患者の体内にガーゼが入ったまま執刀医の非枝先生が閉創に入ってしまい、結局、体内にあった。
良かったぁ。めまいがするほど頭の中が真っ白になっていたから、安心して腰が抜けるかと思った。
「見落とすきみが悪い」
この場合、非枝先生も悪い!!!!
「出来ない自分の不甲斐なさを嘆き、周りのまともな人間の足手まといになっているという事実を恥じろ。恥を知れ、恥を」
自分より上の人には言わないのに下にだけ色々言ってくる。
機嫌にも左右して振り回される。自分も出来てないのに言ってくる!
非枝先生が患者に麻酔から覚める注射を施しながら「患者が麻酔から覚めたら早く病棟に運べよ、分かったな」って言ってきた。
「はい」
分かっている、それくらい。
「手術室で患者が落ちたら死亡事故になる。ひいてはお前のミスを俺がかぶって責任をとらされることになる。落ちないうちに病棟まで運べよ」
この人、本当に最低な人。心から動物のことが好き? 本気で動物を助ける気はある?
自分の失敗を棚に上げ、私に罪を着せるのは非枝先生のいつものこと。
手術を受ける患者の手術に必要な処置
手術進行に応じた必要物品の準備
麻酔の介助
患者の状態の観察
手術の記録
こんなもんじゃない。数えられないほどすることがたくさんある。
執刀医は見事に非枝先生に当たった。最悪なメンバーでの手術。
「手術がスムーズに進行するためのサポーターとしてなくてはならない存在の外回りがきみとはな」
猫の手の方がマシだとまで言われた。
「使えないアニテクをよこすなんて、院長嫌がらせかしら」
「欠陥品のなすりつけ合いだ。うちもあっちも、きみのことなどいらない」
急変したとき、非枝先生の指示の前に考えて必要物品や薬品を準備出来る自信がなくなる。
手術を始める挨拶が済み、粛々と手術が始まった。
非枝先生と徳縄先輩の威圧的な態度に焦って、アンプルがうまくいかなくて切るのに時間がかかり、シリンジに吸うときには手が震えた。
下品な舌打ちが聞こえるから、ますます萎縮してしまい思うように自分の力を発揮出来ない。
初めて実施する技術で以前に説明を受けたけれど、不安で確認のために徳縄先輩に「これで良かったですよね?」と聞いたら「前にも教えたよね、何回も聞いてたら誰も教えたくなくなるよ」と言われた。
非枝先生や徳縄先輩から、なにをやっても注意されるので出来ることも出来なくなる。
とにかく怖い、なにも考えられなくなる。
『意味分かる?』
『もういいよ、頼んでごめん、やらなくていいよ』
二人から浴びせられた言葉が私をますます萎縮させ孤立させる。
普段だったら徳縄先輩の意地悪な言い方にめげずに言い返して、徳縄先輩をイライラさせるのに今は恐怖でしかない。
閉創中のガーゼカウントで、ガーゼが一枚足りないことに気付いた。
「なにをやっているんだよ。だから、きみが外回りは嫌だったんだ」
色々な所を探しまくってなかったからパニックになりかなり焦った。
「きみは居ても居なくても変わらないから、手術室から出て行ってくれてもいいんだよ?」
ない、ない、どうしよう。見つからない、どこにいった。ないと大変なことになる。
「みんなが、いかに効率よく仕事をするかを考えて行動しているから、無駄な時間を費やされることほど傍迷惑なことはない」って、うんざりした顔で非枝先生に言われた。
「早く見つけろよ、こんな凡ミスあり得ない」
「すみません」
謝りながら、とにかく手を動かし探し回った。
「この俺が使えない不出来な看護師の尻拭いをしているんだ、こんな屈辱的なことはない」
「あった!」
思わず声を上げた。
手術時に患者の体内にガーゼが入ったまま執刀医の非枝先生が閉創に入ってしまい、結局、体内にあった。
良かったぁ。めまいがするほど頭の中が真っ白になっていたから、安心して腰が抜けるかと思った。
「見落とすきみが悪い」
この場合、非枝先生も悪い!!!!
「出来ない自分の不甲斐なさを嘆き、周りのまともな人間の足手まといになっているという事実を恥じろ。恥を知れ、恥を」
自分より上の人には言わないのに下にだけ色々言ってくる。
機嫌にも左右して振り回される。自分も出来てないのに言ってくる!
非枝先生が患者に麻酔から覚める注射を施しながら「患者が麻酔から覚めたら早く病棟に運べよ、分かったな」って言ってきた。
「はい」
分かっている、それくらい。
「手術室で患者が落ちたら死亡事故になる。ひいてはお前のミスを俺がかぶって責任をとらされることになる。落ちないうちに病棟まで運べよ」
この人、本当に最低な人。心から動物のことが好き? 本気で動物を助ける気はある?
自分の失敗を棚に上げ、私に罪を着せるのは非枝先生のいつものこと。