自信過剰な院長は既成事実を作る気満々で迫ってくるんですぅ
広々とした敷地にある駐車場は気晴らしが良く、秘密の関係がバレるリスクは大幅に増える。
こそっと車からおりたら二人は仕事の顔になった。
いつもと変わらない朝のはずなのに、今朝の私は不思議な気持ち。
ユリちゃんに直接会って説明をしてほしいのに、その時間さえないほど忙しく一日が始まる。
朝のミーティングが終わるのは各チームごとに違うから会えないし。
さて、うちのチームのミーティングも始まった。
「どうしたの? さっきからそわそわして。僕のこと見てたでしょ、気になる?」
朝輝先生じゃなくて、隣の隼人院長を見ていたの。
と言えるはずもなく。
「僕のこと好きになっちゃった?」
いつもならさっさと席を立って出て行く隼人院長が手術のスケジュール表を見たまま動かない。
「ストレスでもたまってんじゃないのか?」
背もたれに寄りかかり、あくびまじりの声で気持ち良さそうに両手を伸ばす、ストレス皆無の敬太先生が棒読みで話しかけてくる。
「阿加ちゃんも仕事を離れたら、仕事のことはいっさい忘れて遊んでストレス発散したほうが心身の健康のためにいいよ」
仕事から離れたプライベートの方がストレスになる今朝からの私。
「でも、お嬢ちゃん、派手に遊んだらダメだぞ」
敬太先生の言葉にどんな反応をするのかと一瞬、隼人院長に視線を馳せたら鼻柱ひとつ動かさないで澄ました顔で資料に目を落としている。
ふぅん、私が派手に遊んでも気にならないんだ?
「純情清楚で可憐だった白衣の天使ちゃんたち。あの子もこの子も夜遊び男遊びを覚えて変わっていっちゃうんだよ」
「お嬢ちゃんは変な男どもに引っかからないようにな」
「敬太先生と朝輝先生ですよね」
「めちゃくちゃ人気者の僕らだよ? おとなしい顔して阿加ちゃん最近言うようになったよね」
「誰がお前らみたいに徒党根性が強い奴らなんかに引っかかるか」
我慢出来なくなったのか隼人院長が口をはさみ出した。
敬太先生は隼人院長に目もくれず楽しそうに私に話しかけてくる。
「お嬢ちゃん、大きくなったら相手してあげる。胸とケツと身長が」
「年齢じゃないんですか。塔馬先生、それ立派なセクハラです」
「ちっさいものには色気を感じない」
「僕には、どんな阿加ちゃんも可愛く映っているよ。そうだ」
朝輝先生がなにか思いついたようでキラキラした笑顔がますます輝きを放つ。
「もうすぐクリスマスだからさ、阿加ちゃん一緒に写真を撮ってくれる?」
急にどうして? 別にかまわないけれど。
「クリスマスプレゼントでほしいものをサンタクロースに教えてあげないといけないから」
「無駄な労力だ、サンタクロースは爺さんだから教えたところで忘れちまうよ」
朝輝先生に向かって隼人院長が止めに入った。
「私も派手に遊んでみようかな」
隼人院長の反応が見たくて独り言っぽく声に出してみた。
「阿加ちゃん、大胆な。それって僕を誘ってるよね」
「この小悪党どもは悪い男の見本だ」
隼人院長の重く低い声が胸にずっしり響く。
「道永、言い忘れてるぞ、風紀が乱れるってな」
敬太先生の輝く瞳が隼人院長の心を覗き込むように見つめる。
「てめぇらが存在している理由を教えてやるよ。危ない見本として危険な男から危機回避するためだ」
隼人院長は涼しい顔で再び資料に目を落として何事もなかったよう。
疑心暗鬼になる。敬太先生、私たちのことを勘付いていない?
こそっと車からおりたら二人は仕事の顔になった。
いつもと変わらない朝のはずなのに、今朝の私は不思議な気持ち。
ユリちゃんに直接会って説明をしてほしいのに、その時間さえないほど忙しく一日が始まる。
朝のミーティングが終わるのは各チームごとに違うから会えないし。
さて、うちのチームのミーティングも始まった。
「どうしたの? さっきからそわそわして。僕のこと見てたでしょ、気になる?」
朝輝先生じゃなくて、隣の隼人院長を見ていたの。
と言えるはずもなく。
「僕のこと好きになっちゃった?」
いつもならさっさと席を立って出て行く隼人院長が手術のスケジュール表を見たまま動かない。
「ストレスでもたまってんじゃないのか?」
背もたれに寄りかかり、あくびまじりの声で気持ち良さそうに両手を伸ばす、ストレス皆無の敬太先生が棒読みで話しかけてくる。
「阿加ちゃんも仕事を離れたら、仕事のことはいっさい忘れて遊んでストレス発散したほうが心身の健康のためにいいよ」
仕事から離れたプライベートの方がストレスになる今朝からの私。
「でも、お嬢ちゃん、派手に遊んだらダメだぞ」
敬太先生の言葉にどんな反応をするのかと一瞬、隼人院長に視線を馳せたら鼻柱ひとつ動かさないで澄ました顔で資料に目を落としている。
ふぅん、私が派手に遊んでも気にならないんだ?
「純情清楚で可憐だった白衣の天使ちゃんたち。あの子もこの子も夜遊び男遊びを覚えて変わっていっちゃうんだよ」
「お嬢ちゃんは変な男どもに引っかからないようにな」
「敬太先生と朝輝先生ですよね」
「めちゃくちゃ人気者の僕らだよ? おとなしい顔して阿加ちゃん最近言うようになったよね」
「誰がお前らみたいに徒党根性が強い奴らなんかに引っかかるか」
我慢出来なくなったのか隼人院長が口をはさみ出した。
敬太先生は隼人院長に目もくれず楽しそうに私に話しかけてくる。
「お嬢ちゃん、大きくなったら相手してあげる。胸とケツと身長が」
「年齢じゃないんですか。塔馬先生、それ立派なセクハラです」
「ちっさいものには色気を感じない」
「僕には、どんな阿加ちゃんも可愛く映っているよ。そうだ」
朝輝先生がなにか思いついたようでキラキラした笑顔がますます輝きを放つ。
「もうすぐクリスマスだからさ、阿加ちゃん一緒に写真を撮ってくれる?」
急にどうして? 別にかまわないけれど。
「クリスマスプレゼントでほしいものをサンタクロースに教えてあげないといけないから」
「無駄な労力だ、サンタクロースは爺さんだから教えたところで忘れちまうよ」
朝輝先生に向かって隼人院長が止めに入った。
「私も派手に遊んでみようかな」
隼人院長の反応が見たくて独り言っぽく声に出してみた。
「阿加ちゃん、大胆な。それって僕を誘ってるよね」
「この小悪党どもは悪い男の見本だ」
隼人院長の重く低い声が胸にずっしり響く。
「道永、言い忘れてるぞ、風紀が乱れるってな」
敬太先生の輝く瞳が隼人院長の心を覗き込むように見つめる。
「てめぇらが存在している理由を教えてやるよ。危ない見本として危険な男から危機回避するためだ」
隼人院長は涼しい顔で再び資料に目を落として何事もなかったよう。
疑心暗鬼になる。敬太先生、私たちのことを勘付いていない?