紙飛行機
あ、いた。
ってか何床に座ってんのあのイケメン兄貴は…;;
「え、大丈夫!?」
あぁぶつかったんだ。
ってか男子高校生がぶつかって床に座り込むって………;;
相手はゴリラかよ;;
あ…れ……?
俺は兄ちゃんがぶつかった相手を見た。
鎖骨ぐらいの黒い髪。
癖毛なのか耳から下がくるんと跳ねている。
それが自然的でかわいいと思える。
あり得なく白い肌。
赤い唇。
綺麗な眉毛。
少し瞼の下がった目。
でも優しくておっとりしたように見える。
知ってる。
コイツ知ってる……。
「…矢沢じゃん」
俺の声にビクッと反応して振り向いた兄ちゃん。
やっぱり矢沢だ…。
「おい将平、人違いじゃねーの?」
人違いじゃないって…。
絶対矢沢!!
間違えない。
男子の中で有名だったし朝会のとき隣だったし!!
ちょっと好みだったし!!!
あと…友達いなそーだったし………。