紙飛行機
俺と一番仲の良いダチ。
俺の前に座ったのが安達俊介。
少し茶色くて首元まである髪でコイツ、何げにモテるらしい…。
今月も何回も遅刻をしている遅刻大魔王。
この進学校で進級できているのが謎。
「今日は寝坊したの!!」
「出た言い訳。昨日は何だったっけ?」
「チャリのパンク」
「あー。で、その前は?」
「ありすぎて分かんねぇ;;」
「お前、どんだけ遅刻してんだよ;;」
「………10回」
「13回だ…」
担任が遅刻回数を言ってクラスは笑う。
「ってか俊介家近いよな?」
俺の斜め前にいるコイツは浜井和也。
綺麗な黒髪で目も大きく女子の人気で困るらしい。
家は俺より近く浜井が遅刻した事なんて見たことない。
浜井が進級できているのは理解できる。
確かテニス部の部長で3番手らしい。
成績は俺といつも競って同じくらい。
「確か駅のちょっと向こう…」
「チャリなら10分ぐらいじゃん」
「俺にはその10分が長いの!!」
「俺、帰りは坂があるから30分以上かかるぞ?」
「優太は体力あるだろ?バスケしてたんだし」
「まぁマウンテンだしな;;」
俺等の朝はこんな感じて…もぅ奈美がいた面影は薄れていた。