紙飛行機
病院に入るともぅすっかり慣れてしまった匂いがした。
慣れたといっても好きな匂いではない。
むしろ嫌いだった。
3階の左の廊下をまっすぐ。
それから部分階段から1つ手前の4人部屋。
「将平」
「兄ちゃん!!」
窓際でまぶしい太陽の光をバックに笑っているのは2つ下の弟。
「なっ!!かっこいいだろ!?」
「「スゲーかっこいい!!将平の兄貴に思えねぇ(笑)」」
「いいなぁイケメンのお兄さんいてー」
将平はここでも上手くいっているらしい。
まぁそれがコイツの才能か…。
「あ、お菓子!!」
「お前は犬か!?…さっき看護師さんにきいたら2つだけだって」
「おまけでもぅ1つ!!」
「ダメ」
「いっぱい食べないと治んないじゃん!!」
「だったらお菓子じゃなくて病院のご飯残さず食べるんだな」
「えーマズイもん!!」
「退院したら買ってやるから;;」
「まじ!?やったぁーありがとう!!」
と、こんな感じで余裕で弟をあやせるのは、俺の才能かも…。
「ったくお前は小学生か?たかがお菓子で喜んで…;;」