紙飛行機
強くならないとー…
矢沢莉奈
コンコン
「はい」
親なんて来ないからこの病室に来る人はー…。
「よッス矢沢」
田村将平くんだけ。
「おはよう」
「はよ」
あたしの病室は一人部屋だから寂しい。
そんな感情忘れてたのにね。
将平くんは優しい。
「昨日兄ちゃんに怒られてさー」
「え、ここ来たから…?」
「まぁ事実そーなんだけど大丈夫今日はみんなに言ったから」
「でも」
「いいのいいの!!俺、1年の8割は怒られてるから」
「そんなに?(笑)」
「YES」
将平くんはおもしろい。
「矢沢さぁ。この病室から出れる?」
「うん」
「じゃーさ、俺の病室来てよ。おもしろい奴等ばっかりだから」
「でもー」
「嫌?」
「ううん。…………迷惑じゃ…ない?」
あたしがそぅ言うと将平くんは嬉しそうに全然!!と言った。
「じゃー行く?」
「今から?」
「うん」
「うん………行く」
将平くんの病室はあたしの病室と同じ階で、棟が違うだけだった。
将平くん曰く毎日騒がしくて看護師さんに怒られているらしい。
でもそれはいい事だと思う。
楽しいとか笑うことは最高の薬だから。