紙飛行機
「…ぅの」
「河野ぉお!!」
「はいぃぃいっ」
「何見とれてんだよ。まぁ分かるけど…」
「…」
「次フォークな」
「あっ、はい…」
いつの間にか隣にいた友達が、篠岡の投球を見ながら戻って行った。
捕手もが求める"最高のピッチャー"。
俺が見た中で、最強って言える奴だった。
「フォーク」
「はい」
すっと息を吸う。
俺は右腕だから左腕の篠岡と向き合った。
(同級生に見えねーよ…)
唯一自慢できる様なフォーク。
でも篠岡がいるってだけで集中出来なかった。
「あっぶね;;」
捕手が危なげにキャッチした時にはっと意識がはっきりした。
次だ…
次に…