紙飛行機





あ、あの時と同じだな。



フォークを美波に誉められた日。
今の状況と重なる…。








「なぁ」


俺は便所に行ったダチを待っていて、階段に座りながら空を眺めていた。

そんな俺に声をかけたのは篠岡。



その時、なぜか篠岡に怒られると思ったんだ。
だからびっくりして起き上がって向き合った。


「な、何……」


「あのっさ……」


「…」


「………俺にフォーク教えてくれ」





必死な目してさ…。
あんな…俺のフォーク見て焦ったの?
だったら篠岡はとんだ小心者だ。
俺はアンタには適わないよ。



「お、俺、中学の時フォーク教えてもらえなかったんだっ………っだから…教えてくれ……頼む……」


その時俺は……


「………いいよ」



って言ったんだ。











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