紙飛行機
「付き合ってて、彼女さんがそんな状態なら…当たり前ですよ。………寂しかった…ですもんね」
「……うん…。でも…………死ぬってわかってすぐ理解してた。否定しなかった。……納得……してた。」
「……………………。将平くんのお兄さん……」
「…」
「……。私、家族が見舞いに来たことが無いから分かるんです。…………家族に諦められるより、…大好きな人に諦められる方が辛いんですよ……」
「………。なんとなくだけど…矢沢さんが言いたい事分かった」
笑うと笑い返してくれた。
「1つきいていい?」
「はい」
「何で辛そうな顔してるの…?」
「……………。何ででしょう」
そぅ言って苦笑いした顔を、今でも忘れられない。