紙飛行機
「将平、あとちょっとで母さん来るって」
「あぁうん…」
少しして見慣れた白の大型車が病院の前に止まった。
「優太前、将平後」
ドアが開き、母さんが指示を出した。
兄ちゃんが乗るのを手伝ってくれた。
「美波はどーすんの?」
「あたしは信之介ん家の車で帰るんだ」
「え、じゃー健と大地は!?」
「俺はバスの定期あるからバスで帰るわ」
「俺は走るわ」
「「「わぉ。どーした大地」」」
「うっせーな;;」
そんなやり取りに笑った。
「へばったらいつでも乗せるぞ?」
「乗らねーって;;」
笑ったら………別れが辛くなった。
「………じゃーな」
「うん…」
「バイバイ」
「バイバイッ」
「バイバイ…」
「じゃーな…」
「…」
「バイバイ……」
「じゃーな…」
車が動きだした。