紙飛行機





「将平、あとちょっとで母さん来るって」

「あぁうん…」







少しして見慣れた白の大型車が病院の前に止まった。



「優太前、将平後」
ドアが開き、母さんが指示を出した。


兄ちゃんが乗るのを手伝ってくれた。




「美波はどーすんの?」

「あたしは信之介ん家の車で帰るんだ」

「え、じゃー健と大地は!?」

「俺はバスの定期あるからバスで帰るわ」

「俺は走るわ」

「「「わぉ。どーした大地」」」

「うっせーな;;」

そんなやり取りに笑った。


「へばったらいつでも乗せるぞ?」

「乗らねーって;;」




笑ったら………別れが辛くなった。
「………じゃーな」

「うん…」

「バイバイ」
「バイバイッ」
「バイバイ…」
「じゃーな…」
「…」
「バイバイ……」
「じゃーな…」






車が動きだした。





< 56 / 82 >

この作品をシェア

pagetop