磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
*ワケありな過去*
「ねえ、帰りはタクシーかバスにしない?私払うからさ。」
翌日、商品を共同開発する会社を訪問した帰り、真海が隣を歩く悠馬を見上げて言った。
今日は酷暑と言われる、記録的な暑さの日だった。更に一日のうち最も暑い時間帯で、うだるような暑さに街の景色がゆらいで見えるようだ。
「甘えんな。こんくらいの距離大丈夫だ。タクシーやバス乗ったって5分乗るかどうかってくらいあっという間だろ。」
「距離じゃなくてめっちゃ暑いんだもん・・・しかも暑苦しい男と歩かなくちゃいけないし。」
最後にぼそっと付け加えたディスりに悠馬が反応する。
「お前だって目元が暑苦しいんだよ!それ、付けまつげっての?」
「これはまつエク!まつげエクステ!」
「何でもいいけど、そんなにたくさんつける必要あんのか?つけ過ぎてるから昨日みたいにとれるんじゃねえの?」
その言葉に昨日の車でのことを思い出し胸がざわついたことを自覚し、さらに苛立ってしまう。
「何もつけてなくても、まつ毛は抜けるでしょ!!女心のわからないムサゴリラめ!」
「んなくだらねーもんわかりたくねーよ!」
「じゃあ、私だけ乗って先に帰るから。」
───昨日会ったあの人のことと、あとこいつの意味不明な行動のこと考えて昨日あんまり眠れなかったからか体調微妙なんだよね・・・頭ボヤーッとしてるし吐き気もあって・・・段々悪化してきてるけど、こいつなんかに言いたくない・・・。
「『じゃあ』って何に対して言ってんだよ。お前はそういうとこが駄目なんだよ。」
悠馬は前を見たまま乱暴に言い捨てる。
「私の何がわかるの・・・っ!!」
イラッときて勢いよく彼を見上げた瞬間、目の前が白くなった。
翌日、商品を共同開発する会社を訪問した帰り、真海が隣を歩く悠馬を見上げて言った。
今日は酷暑と言われる、記録的な暑さの日だった。更に一日のうち最も暑い時間帯で、うだるような暑さに街の景色がゆらいで見えるようだ。
「甘えんな。こんくらいの距離大丈夫だ。タクシーやバス乗ったって5分乗るかどうかってくらいあっという間だろ。」
「距離じゃなくてめっちゃ暑いんだもん・・・しかも暑苦しい男と歩かなくちゃいけないし。」
最後にぼそっと付け加えたディスりに悠馬が反応する。
「お前だって目元が暑苦しいんだよ!それ、付けまつげっての?」
「これはまつエク!まつげエクステ!」
「何でもいいけど、そんなにたくさんつける必要あんのか?つけ過ぎてるから昨日みたいにとれるんじゃねえの?」
その言葉に昨日の車でのことを思い出し胸がざわついたことを自覚し、さらに苛立ってしまう。
「何もつけてなくても、まつ毛は抜けるでしょ!!女心のわからないムサゴリラめ!」
「んなくだらねーもんわかりたくねーよ!」
「じゃあ、私だけ乗って先に帰るから。」
───昨日会ったあの人のことと、あとこいつの意味不明な行動のこと考えて昨日あんまり眠れなかったからか体調微妙なんだよね・・・頭ボヤーッとしてるし吐き気もあって・・・段々悪化してきてるけど、こいつなんかに言いたくない・・・。
「『じゃあ』って何に対して言ってんだよ。お前はそういうとこが駄目なんだよ。」
悠馬は前を見たまま乱暴に言い捨てる。
「私の何がわかるの・・・っ!!」
イラッときて勢いよく彼を見上げた瞬間、目の前が白くなった。