磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
悠馬は真海の言葉の意味をすぐには理解できなかった。

「はっ!?おっ俺がお前につけるのか!?」

「そうだよ!他に誰がいるわけ!?」

「わ、わかったよ・・・。」

悠馬は真海の後ろに回り彼女の頭の上にネックレスを置いてそのまま頭を通そうとする。

───まずい、入らない。もしかして真海って頭でかいのか?でもそんなこと言えねえ・・・。

悠馬が困惑していると真海の頭が上下に震えている。彼女は笑っているようだった。

「そりゃ無理だよ。猫の首輪だってつける時一回はずすでしょ。」

「うるせ。俺ネックレスなんて自分でも人にもつけたことねえんだよ。」

「ここをこうやって引っ張るとこのリングが開くから、鎖の好きな位置に通すの。」

「そうなのか。」

悠馬は分厚い手で手間取りながらも真海にネックレスをつけた。

「わ!これ、可愛い。シンプルだし会社でもつけられるね。本当にありがとう。」

「あ、ああ、似合ってる。」

───会社でもつけられる、か・・・花火の日に渡したハートの磁石のプレゼント、喜んでくれたけど、ネックレスやキーホルダーにして身につけるようなことはしてくれてないんだよな。やっぱりこういうアクセサリーの方かいいんだろうな。
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