磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
その日の19時半になる頃、仕事に区切りがついた真海は翌日行われる取引先とのミーティング資料が入っているフォルダの中身を確認しながら隣の悠馬に声をかけた。

「ねえ北岡、明日のミーティング、先方の海外本社の方もテレビ会議で参加できるようになったんだよね?」

「おお・・・ああ~っ!!!!!」

悠馬が突然大声を上げた。

「やっぱり・・・資料の英訳、出来てないよね!?フォルダにないからもしかしてと思って・・・。」

「海外本社の人が参加できるか未定で、とりあえず日本語だけで資料作って、参加するとわかったら翻訳会社に発注しようと思ってて・・・やっべ、どうしよう!!!量も多いし今から発注するのは・・・海外本社も参加する場合を想定すると時差があるからって会議は明日の夕方6時からになってるけど、向こうの時間で今日の夕方4時までに事前に資料をメールで送るってことになってたのに・・・俺、なんて馬鹿なんだ・・・。」

悠馬はどんどん青ざめていく。
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