磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「私は危ない橋は渡らない主義なんだよね。出来ると確信してるからやるの。私のこと信じられる?」

振り向いた真海が目に力を込めて見上げながら言う。彼女の自信とやる気に満ちた表情は、悠馬を安心させそして奮起させた。

「わかった。やろう!俺は何をすればいい?」

「原稿をソフトに読み込む前に、少し加工する必要があるんだ。私が冒頭部分から作業してソフトに読み込んでいくから、北岡は続きの加工をお願い。それからソフトで翻訳した英文は自動で元の日本語と同じ場所にレイアウトされるようになってるんだけど、完璧ではないからレイアウトが崩れていないか、ちゃんと原稿と同じになってるか確認して適宜修正してほしい。ちゃんと然るべき箇所におさまってるかとか、文字の色や太字なんかの字体や下線、あと図やグラフの上にテキスト被せたりしてあるからそこも注意して。出来た分から分割して少しずつ渡すからよろしく。」

てきぱきと説明すると原稿を開いて確認作業を始める。

「了解!」

悠馬は半袖シャツの腕をまくり姿勢を正して作業する態勢に入った。
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