磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「・・・送信した。」
真海はマウスをクリックすると画面から顔を半分だけ逸らして隣の悠馬に告げた。
「よっしゃ!終了!」
悠馬が満面の笑みでハイタッチをしようとするが、真海はその手には気づかず、『終わったぁ~。』と言いながら、プシューッと空気が抜けたようにデスクの上に突っ伏した。悠馬は挙げた手に一瞬目をやってから下におろし、彼女に声をかける。
「お疲れ!お前のお陰だよ。助かった。」
「は?何言ってんの。二人で組んでやってる仕事なのに資料のことあんたに任せちゃってたから、私のミスでもあるし、当たり前のことしただけだから。」
照れ隠しに突っ伏したまま言ったので声がくぐもっている。
「ごめん。俺、ちゃんとメモっておかなかったんだ・・・いつもそうでさ、本当駄目だよな。社会人何年目だよっての。」
俯いて弱々しく呟く。
「『仮』のことでもとにかくタスクリストにメモしとかないとね。あとついでに言うと、ミーティングは長引いたりするからもう少し時間に余裕持ってスケジュール組んだ方がいいと思う。」
顔を上げてそう言った真海の顔はテカテカでアイラインも滲んでいた。
「お、おう。」
───こいつ、いつもは仕事中にしょっちゅう鏡見ては席立ってて、多分トイレで化粧直ししてるんだろうけど、今日はすげー集中力で画面に向かってたな・・・見とれるくらい綺麗だった。休みの日のリラックスした姿ともまた違って・・・。
「何?」
「・・・い、いや、お前、チームリーダー向いてるんじゃねえ?ほら、もしチームリーダーが異動になっちゃったらって話してただろ?ポテンシャルすげーし、さっきも冷静に判断して指示しててさ。」
「や、やめてよ。リーダーなんてやりたくないって言ったでしょ。」
───こいつのお陰でどんどん仕事が楽しくなってることは認めざるを得ないけど・・・。
「今日のお前見たら葉吉さんもマネージャーも同じこと言うと思うぞ。」
「だから嫌だって・・・げっ!もうこんな時間!もう他の部署も誰もいないんじゃない!?」
時計を見てからハッとしてフロアを見渡すと、自分達がいる島以外の電気が消えていた。
真海はマウスをクリックすると画面から顔を半分だけ逸らして隣の悠馬に告げた。
「よっしゃ!終了!」
悠馬が満面の笑みでハイタッチをしようとするが、真海はその手には気づかず、『終わったぁ~。』と言いながら、プシューッと空気が抜けたようにデスクの上に突っ伏した。悠馬は挙げた手に一瞬目をやってから下におろし、彼女に声をかける。
「お疲れ!お前のお陰だよ。助かった。」
「は?何言ってんの。二人で組んでやってる仕事なのに資料のことあんたに任せちゃってたから、私のミスでもあるし、当たり前のことしただけだから。」
照れ隠しに突っ伏したまま言ったので声がくぐもっている。
「ごめん。俺、ちゃんとメモっておかなかったんだ・・・いつもそうでさ、本当駄目だよな。社会人何年目だよっての。」
俯いて弱々しく呟く。
「『仮』のことでもとにかくタスクリストにメモしとかないとね。あとついでに言うと、ミーティングは長引いたりするからもう少し時間に余裕持ってスケジュール組んだ方がいいと思う。」
顔を上げてそう言った真海の顔はテカテカでアイラインも滲んでいた。
「お、おう。」
───こいつ、いつもは仕事中にしょっちゅう鏡見ては席立ってて、多分トイレで化粧直ししてるんだろうけど、今日はすげー集中力で画面に向かってたな・・・見とれるくらい綺麗だった。休みの日のリラックスした姿ともまた違って・・・。
「何?」
「・・・い、いや、お前、チームリーダー向いてるんじゃねえ?ほら、もしチームリーダーが異動になっちゃったらって話してただろ?ポテンシャルすげーし、さっきも冷静に判断して指示しててさ。」
「や、やめてよ。リーダーなんてやりたくないって言ったでしょ。」
───こいつのお陰でどんどん仕事が楽しくなってることは認めざるを得ないけど・・・。
「今日のお前見たら葉吉さんもマネージャーも同じこと言うと思うぞ。」
「だから嫌だって・・・げっ!もうこんな時間!もう他の部署も誰もいないんじゃない!?」
時計を見てからハッとしてフロアを見渡すと、自分達がいる島以外の電気が消えていた。