磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「・・・え?」

───なんか今こいつに告白されたような・・・いや、まさか。聞き間違いだよね。疲れてるんだ、私。

「『なった。』っていうか『なってた。』・・・その・・・『恋に落ちてた』っていうの?お前と組むようになるもっと前から俺の心の中にお前がいたんだよ。その、いるのはわかってたんだけど、それがこういう気持ちだって自覚してなかったんだ・・・俺はお前に嫉妬してただけじゃなくて・・・惹かれてた。」

「な・・・。」

───過去のある時点から現在まである状況が継続している・・・つまり、現在完了進行形?have been doing?

真海はひどく混乱したが、とにかく気持ちを静めようと試みる。

「え?え?それで・・・えーと、どこからどう理解しようとしたらいいのかわかんないんだけど、とりあえずなんで謝ってんの?」

「お前、嫌いだろ、俺のこと。話す時いつも怒ってるし。見た目もゴリラだしな。」

「や、嫌いっていうか・・・その。」

───そのはず、だったんだけど・・・今はもう・・・それにゴリラってのもただのイメージってだけで・・・。

「俺今まで仕事一筋で、自分には恋愛なんて必要ないと思ってたけど、お前のことはそういう風にしたくないんだ・・・というか、理屈じゃないっていうか・・・うまく言えねえ・・・こんな気持ちになったの初めてだし、どうしたらいいのかもわかんねーけど、この気持ちを伝えずにはいられなかった。」

自分の腕を掴む悠馬の手が震えている。彼の真剣な気持ちが伝わってきて真海は戸惑った。
< 42 / 118 >

この作品をシェア

pagetop