磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「・・・そっ、そうか?」

「うん・・・あとね、私が髪形とメイク変えたのも、会社でも家族とか友達にも好評でさ。変えて良かったなって。」

「そうか、良かった。」

「そういや街でも声かけられること増えたな。」

「・・・それってナンパってことか?」

「・・・まあ。年齢言うと驚かれるけど。」

「そうか・・・。」

───うぬう・・・それ考えてなかったぞ・・・そうだよな・・・こんだけかわいかったら他の男も寄ってくるよな・・・。



ホテルにチェックインし部屋に入ると、ダブルベッドが鎮座していた。

───だ、だよね・・・。

隣に立つ悠馬は恐らく気まずそうにしているだろうと思い、真海はベッドを気にしていないふりをして大きな窓に近づいた。

たくさんのビルがそびえ立っている。

「すごっ、全面窓だね。夜景綺麗そう。」

「おお、そうだな。花火はそこまで近くはないけど、この高さならビルに遮られずに見えそうだよな。」

───こいつ、ベッドのこと気にしてないふりしてくれてるんだろうな・・・やっぱりツインにしておいた方が無難だったか・・・?

窓に面して大きなソファと小さなテーブルが置いてあり、悠馬がソファに座ると、真海は左端に離れて座る。

「なんでそんな遠くに座るんだよ?」

「ひじ掛けに寄っ掛かりたいから・・・。」

───本当は近くに行きたいけど、さ・・・どうすればいいのかわからない・・・。

「・・・あのさ。」

悠馬は真海の方をチラチラ見ながら何かを言いよどんでいる。

「何?」

「その・・・。」

「だから何?」
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