磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
しばらく抱きしめてから悠馬は後ろを振り向いてベッドを見つめる。

「・・・まだちょっと早いけど、時間あるし・・・さ。」

「え・・・!?」

───ま、まさか・・・!?

「持ってきたから。」

そう言って自分の荷物から小さな四角い箱を取り出すと、ベッドサイドのチェストの上に置き、靴を脱いでベッドの上に座る。

「やっぱりダブルにして良かったな。広い方が動けていいもんな。」

「えっ・・・と。」

───どうしよう、確かに泊まるってことはそういうことだろうけど・・・。

彼の一連の動きを見て、どんどん鼓動が速くなってきていた。

「来ないのか?怖じ気づいた?」

「・・・そんなことないよ・・・。」

───こいつってこういう時こんなにストレートな感じなの!?もっと照れたりするのかと思ってた・・・。

意を決し、新しく買ったアクアブルーのワンピースの裾をまくってベッドに登り悠馬と向かい合う。激しく跳ねる心臓に連動してベッドまで振れているように感じてしまう。

「・・・俺、久しぶりだけど全力で行くから。」

「・・・私も久しぶりだけど・・・。」

「・・・じゃあ・・・やるか。」

悠馬の興奮を抑えられない様子に真海は焦った。

「ちょっと待って・・・こんなに明るかったら・・・せめてカーテン閉めて。」

「お前そういうの気にするんだ?」

「そりゃ、するよ・・・。」

悠馬はカーテンを閉めて戻ってきた。

「これで、いいよな・・・?」

「うん・・・。」

───どうしよう。なんでこんなにドキドキするの・・・付き合ってるんだから自然な流れなのに・・・。
< 70 / 118 >

この作品をシェア

pagetop