磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
*素直な言葉*
「はあはあっ!」
エレベーターを待っていられなかった悠馬は階段でオフィスフロアまでやってきた。
───こんくらいでこんなに息が切れちまうなんて真海が言うようにもう歳なんだな・・・。
予想通りオフィスは真っ暗だった。サンプル品を置いて早く真海の家に向かわねばと思うがさすがに遅いからもう彼女も怒って寝ているかもしれない。『遅くなって本当にごめん。会社着いたら家行っていいか?』と打ち直し送信したメッセージは未読のままだった。
いつも以上の大股で自席に向かっていると、ぽうっとほのかな光が灯っている。オフィス内に置かれていたクリスマスツリーだった。
「・・・綺麗だな。」
ツリーに近づくと思わず言葉が出た。
「そうでしょ?昼間だと明るいからこんな風には見えないもんね。」
「真海!!」
ツリーの隣のソファには真海がいた。
「お疲れ。」
「ごめん!悪かった!せっかくのイブなのに!」
悠馬はソファの前で跪《ひざまづ》いて謝った。
「謝ることないよ。私でも同じことしたと思う。てかあんたが約束あるからって車酔いした日野さん見捨てて帰るようなやつだったら嫌だよ。」
「あっ、日野さんとは何も・・・。」
「わかってるし。それに日野さんからも『北岡さんとは何もありません!』って長文で連絡来た。いくら電車でも車酔いした後にこんな長文打ってたら酔うから目つぶってなって返信したよ。私達のこと日野さんに言ったんだね。」
「そうなんだ・・・悪かったな。言ったことも遅れたことも。」
ガタイのよい悠馬がすっかり小さくなってしまっていた。
「だから悪くないって言ってるでしょ!しつこいよムサゴリラ。暑苦しいのは外見だけにして。」
「やっぱ暑苦しいかな。」
「真冬なのにめっちゃ汗かいてるしね・・・そんなに急いでくれたなんて嬉しいけど。」
真海は自分の言葉に照れたようにそっぽを向いた。悠馬はそんな彼女の隣に座る。
エレベーターを待っていられなかった悠馬は階段でオフィスフロアまでやってきた。
───こんくらいでこんなに息が切れちまうなんて真海が言うようにもう歳なんだな・・・。
予想通りオフィスは真っ暗だった。サンプル品を置いて早く真海の家に向かわねばと思うがさすがに遅いからもう彼女も怒って寝ているかもしれない。『遅くなって本当にごめん。会社着いたら家行っていいか?』と打ち直し送信したメッセージは未読のままだった。
いつも以上の大股で自席に向かっていると、ぽうっとほのかな光が灯っている。オフィス内に置かれていたクリスマスツリーだった。
「・・・綺麗だな。」
ツリーに近づくと思わず言葉が出た。
「そうでしょ?昼間だと明るいからこんな風には見えないもんね。」
「真海!!」
ツリーの隣のソファには真海がいた。
「お疲れ。」
「ごめん!悪かった!せっかくのイブなのに!」
悠馬はソファの前で跪《ひざまづ》いて謝った。
「謝ることないよ。私でも同じことしたと思う。てかあんたが約束あるからって車酔いした日野さん見捨てて帰るようなやつだったら嫌だよ。」
「あっ、日野さんとは何も・・・。」
「わかってるし。それに日野さんからも『北岡さんとは何もありません!』って長文で連絡来た。いくら電車でも車酔いした後にこんな長文打ってたら酔うから目つぶってなって返信したよ。私達のこと日野さんに言ったんだね。」
「そうなんだ・・・悪かったな。言ったことも遅れたことも。」
ガタイのよい悠馬がすっかり小さくなってしまっていた。
「だから悪くないって言ってるでしょ!しつこいよムサゴリラ。暑苦しいのは外見だけにして。」
「やっぱ暑苦しいかな。」
「真冬なのにめっちゃ汗かいてるしね・・・そんなに急いでくれたなんて嬉しいけど。」
真海は自分の言葉に照れたようにそっぽを向いた。悠馬はそんな彼女の隣に座る。