私は女の子にはなりたくない
 「白乃起きろー」

 私の後ろを歩く実李こと、須田実李(すだ みのり)も声をかけてきた。

 実李の手が私の頭に乗せられて、実李の香水の匂いがブワッと広がった。

 女の子好きの実李は香水をすごいつけてる。

 「臭い・・・」

 素直な言葉を口にした。

 「はぁ?お前が好きっつった匂いだろ」

 「そんなこと言ったっけ」

 言ってないし、もし言ってたとしたら、つけすぎ。

 「実李が女好きなのが気に食わないんだよ、白乃は」

 ふふっと笑いながら言ったのは、佐野隼人(さの はやと)。
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