私は女の子にはなりたくない
 紫乃がいなくなった途端、全身の力が一気に抜けて。

 「はっ・・・」

 息も急にできるようになったかのようで。

 私は、まだ紫乃に怯えてるんだって、思った。

 あの事は、もうとっくの昔に終わったのに。

 ◻︎

 ザワザワと騒がしい廊下を通って、安心する。

 いつもなら、うるさいとしか思わないのに。

 眠気も全然しない。

 椅子に座って、授業が始まるのを待つ。
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