MINE.
大学生の頃はまだしも、流石に社会人になって家を出てるのに月に二回も実家に帰るのはちょっと、と思った。
「松田もすごく心配していて、毎日のように『今日は絹さんいらしてますか』って尋ねてきてたんですよ」
「なるほど……」
もしかして今日あそこでわたしの帰りを待っていたのかもしれない。
そして家でなくここへ向かったのも計算の内だったのかも。
「今日は泊まられるんですか?」
「いや、明日も仕事なので」
「じゃあお夕飯ちゃちゃっと用意しますね」
夕飯は既に食べることになっている。
はーい、と返答して離れへ向かった。