MINE.

前なら松田のことを聞いてスキップしながら渡り廊下を渡っていただろうけれど。

「お邪魔しまーす」

一応松田の家なので、そう言いながら扉を開ける。

居間でお茶を淹れる松田の姿が見えた。

「陽乃さんに会えました?」
「うん、喜んでた」

そうですか、と安堵する顔。いや、松田がどうこうよりも、陽乃さんに会わせる為にここに連れて来たのかも。

座布団に座り、お茶を頂く。部屋は冷房が効いていた。

「あ! わたしアイスが食べたかったんだった!」

思い出し、立ち上がろうとすれば、松田が先に立ち上がった。

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