MINE.
「ダッツならあります」
「え」
「みかんのも前に絹さんが好きだって言ってたので入ってます」
「で、でも今はコンビニの……」
「プレミアムのアイスバーもあります」
店か、と突っ込みたくなる。
わたしの好きなアイスリストを揃えている。伊達に十数年一緒に居ない。
観念して腰をおろすわたしを見て、松田は「何にします?」と嬉しそうに聞いてくる。敗北感。
「……みかんの」
コンビニと言ったのにも関わらず、みかんをチョイスするわたしに嫌な顔ひとつせず、松田は小さめの冷蔵庫の冷凍室からみかんのアイスを持ってくる。