MINE.
この屋敷へ。
そういう意味に取れる。
「心配してたみたいです、陽乃さん曰く」
「ふーん」
「五十鈴さん、前に言ってたじゃないですか」
ここに初めて来た頃、五十鈴さんとは全く話をしなかった。
本家の息子というので今と同様忙しくしていたし、本妻の方の目が光っていたので不用意に近付くことはしなかった。
しかし父と本妻の方も亡くなると、話す機会も増えて、今じゃ良き相談相手だ。二十七と年も近くて、異母兄だけれど友人のような。
先日、五十鈴さんと話した時に言われた。
『松田とどうなってんの?』と。