MINE.
沙汰

「放してやれって」
「ああ、うん」
「それを実行中なんです」

ベタベタするのも最小限に。
わたしの話も最小限に。

物理的な距離も取れば、心の距離も取れるだろうという結果。

「お前は白が黒か、零か百かしか無いんか」
「どういう意味ですか?」
「頭は悪くないのにな……」
「大学は首席卒業です」
「自慢すんな残念女」

デコピンされた。痛い。

額を擦っていると、五十鈴さんが遠い場所を見るような表情をした。

「まあ、そういうのが可愛い……のか?」

首を傾げるので、わたしも同様に傾げる。

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