MINE.
夕飯を食べ終えてすぐに帰り支度をしていると、いつも観ている夜のドラマが始まってしまった。
「絹さんの好きなどら焼き、頂いたんですよ。食べますか?」
「え、いや、うーん……いい、持って帰る」
「ドラマだけ観て行ったらどうですか。お茶も淹れ直しますね」
松田の提案に断れないわたし。
だって観たいし、どら焼きも食べたいし、松田の淹れるお茶は美味しいし。
「この焙じ茶美味しい」
「山場園さんのとこでおすすめされたのを買いました。お口に合ったなら良かったです。持っていきますか?」
「ううん、だってこれ松田が淹れるから美味しいんだもの」