MINE.
わたしも家でお茶が飲みたくて淹れることがあるけれど、松田と同じ味にはならない。
「それなら、もっと飲みに来てください」
「居酒屋さんみたいな台詞ね」
「最近来られないので、何かあったのかと思いました」
それを松田本人に言われるとは思わず、テレビから視線を逸らす。
松田は甘いものがそこまで好きじゃない。甘党か辛党かで言えば、断然辛党だ。
だから、もう松田の家になったこの場所に、甘味を置く必要は無いのに。
「便りの無いのが良い便りって言うじゃない」
笑ってみせる。
「……そうですね」
松田はわたしを否定しない。