MINE.
まさかそう言われるとは思わず、言葉の重みが違う。
「す……すみません……」
「あ、いや怒ってるわけではなく」
「松田が」
振り向く。松田はこちらを見ていた。
「松田が、えっと、松田は、どんな人と結婚したいんだろうと思って」
「……え?」
「だって、こうやってずっとわたしの世話ばっかりしてるわけにもいかないでしょう? というか、ずっとわたしの世話をしてくれていた分、何か出来ないかなって」
午前二時。
もう丑三つ時だ。
「お嬢さん」
松田がわたしをそう呼ぶことは殆どない。
「気でも触れました?」
その時ほど、清々しい笑顔も見たことがなかった。