MINE.
「それから思っちゃったの、もしかしてわたしが今までやってたのってセクハラに近いんじゃないって」
「寝込み襲ったり?」
「そんなのはしたことない」
松田はいつもわたしより先に起きて、遅く寝ていた。居眠りしてるのも見たことがない。
川崎さんは「なら良かった」とコークハイを飲む。
今まで誰にも話せなかった松田の話を、何故か同じ会社に、同じ時期に入っただけの川崎さんになら話せた。
わたしの生い立ちを、「へえ、大変なんだね」の一言で済ませてくれたから。
「なんかねー、わたし、松田のこと誰かに取られるの怖かったの」