MINE.

アイスを食べ終えて、缶ビールを持って立ち上がる。完全に酔っ払いだ。

ちょうど着信音が聞こえて、それに出る。

「はーい、もしもし」
『絹さん、外ですか?』
「あ、松田だー」

とんとん、と公園の階段を降りた。

『酒飲みました?』
「今もビール持ってるよー」
『どこにいるんですか』
「公園のねえ、階段のとこ。あ、猫」

フェンスの向こうでギラリと光った両目。わたしと目が合うと姿を隠してしまう。

「さっきね、松田のこと考えてたの」

電話の向こうが一瞬静かになる。切れたかな、と携帯を離した。

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