MINE.

起きたら、傍らに松田がいた。

1Kの家なのだから仕方ない。この部屋を出たら廊下の狭いキッチンしかない。

二人がけソファーに浅く腰掛けた松田は動かないので眠ってるように見えたけれど、わたしが身体を起こすとこちらを向いた。

「……大丈夫ですか?」
「うん」

泣きながら寝落ちたのだろう。頬がパリパリしている。

八歳の子供を抱えるのとは違うのに、車からここまで運んでくれた。松田の腰が思いやられる。

「仕事で何かありましたか」
「何もないよ」
「じゃあ飲んだ相手に何か言われたとか」
「全然」

首を振る。楽しかった記憶しかない。

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