MINE.
「わたし、松田が好きなの」
「はい、ありがとうございます」
「わたしが働いて、お金貯めて一人で生きていけるようになったら、結婚してくれる?」
松田は飲みかけのお茶を噴いた。
汚い。まあ松田のなら許してあげるけど。
ティッシュで汚れたテーブルを拭いていると、松田は袖で口元を拭っている。
「絹さんの望みは何でも叶えてあげたいんですが」
「うん?」
「すみません、それは難しいです」
「……先にお茶吹いたのを謝って」
「あ、それもすみません」
初めての失恋だった。
しかし、それまで長く片想いしていたのをほいほい諦められるわけもなく。