MINE.

松田と女性は何か話をして別れた。
次に会う約束でもしたのか。
どこで会うの。
なにをするの。

わたしの……。

五十鈴さんの携帯が鳴った。吸えなかったタピオカの残ったプラスチック容器を持ちながら、それに出た。

「おー駅にいる。車に戻る……あ? 後ろだ」

その言葉に、視線の先の松田が振り返る。

目が合った。ぎくり、とわかりやすく松田の表情が止まる。

わたしはそれに、にこりと返して立ち上がった。

「じゃあ会社に戻ります」
「会ってかねえの?」
「なんか……八つ当たりしてしまいそうなので」

その言葉に五十鈴さんは複雑な顔。

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