MINE.

「意味不明だな、恋心」
「わたしもそう思います」
「次は飲みに行こうぜ」
「ええ、じゃあお見合い相手によろしくお願いします」

そう返すと、また複雑な顔をした。

わたしは松田が来る方向とは違う方へ歩き、弊社ビルへと帰る。カレーがおさまり、ちょっと甘いものが欲しくなる。やっぱりタピオカ少し貰えば良かったかな。

「絹さん」

後ろから声をかけられ、次はわたしがぎくりとする番。

「ど……うしたの、松田」

振り向く。松田は何か言おうと口を開いて、その口から何も出ずに、閉まる。

本当にどうしたの。

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