MINE.
会社の昼休憩に、こんな道の往来で。
それでも道行く人々はわたしたちのことなんて気にせず、すたすたと自分の行くべき場所へ向かっていく。
わたしのこんな恋心は、世界の何にも認識されない。
「ちゃんと働くようにもなったし、自分で自分のこともできるようになった。だからわたしと結婚して」
こんな場所で言うことじゃないのは、わかっている。
松田は驚いた顔で、それでもすぐに口を開く。
「絹さん」
「これが最後よ。わたしから言うのは、最後」
最後だから何だと言うの。
この前みたいに赦してほしいんだろうか。