MINE.

ここまで甘ったるい考えの自分にも笑えてしまう。

「知ってるの、松田はロリコンじゃないし、十も年下のわたしなんてただのガキなんでしょ」
「そんなことは思ってません」
「でも、年の差が何なの? 松田が九十になったらわたしは八十なんだから! どっちもお爺ちゃんとお婆ちゃんよ!」

それでも言い始めたら涙が出る。

「わたしだって出来るなら十年早く生まれて、松田と同級生になりたかった!」

呉野の家に来なかったら、わたしは松田には出会えなかった。

でもそうじゃなかったら?

普通に同級生に生まれていたら、もっと違う出会い方だったかも。

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